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   とある事件の記録


 いつどこで何があったかをここで詳しく述べることはできないが、ここで何かがあったのは間違いない。本当なら私も、何があったのかをここに書いて伝えたいのだが、残念ながら私にそれをする権利がないからそれはできないのだ。

 今ここで私が言えることをすべて言うとしよう。
 それは真昼に起こった。日付と場所を述べることはできないが、そのとき、周囲には数人の人がいた。名前を挙げることはできないが、皆確かにそれを目撃していた。しかしその全員が、「私は見ていない」と否定した。
 それが起こったとき、その地域には暴風警報が発令されていた。しかし人々はそれを気にも留めなかった。なぜならば、その一週間程前から、毎日のように暴風警報は発令され、そしてそれが一度も当たらない、つまり暴風が全く吹かなかったからだ。

 だがその日、その事件が起こった場所の周辺に、局所的にとても強い風、つまり暴風が吹いてしまった。いや、本当はそこまで強い風でもなかったのだが、その地域の人々にとっては、予想していたよりもはるかに強い風だった。結局吹いたのは、付近の大木の葉が落ちるだけの強さだった。それでも、この事件が起こるには十分な「暴風」だった。

 事件が起こったそのとき、現場の道には先程も述べたように数人の人がいて、そして普通に歩いていた。そしてこの「暴風」が起こるまで、誰もその人に気を留めることはなかった。
 だけれどもこの「暴風」が起こった直後、確かに、確かに周りの通行人たちはその人のほうを確かに見た。

 「暴風」が吹いた直後、一人の女子高生が悲鳴をあげた。
 彼女のスカートが、ふわりと揺れた。





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